先に四ヶ伝と奥伝のお点前比較早見表をアップしてみましたが、お役に立ったでしょうか? 今回はその中から、覚えておくと役に立つ便利なフレーズをピックアップして、クイズ形式に作ってみました。上段にクイズを、下段に答えを解説付きで掲載しております。
◆クイズ:フレーズ・用語から思いつくお点前を、四ヶ伝5種や奥伝4種類を含めたお点前の中からひとつ選んでみて?(答えの多くは前掲比較早見表に載っています)
①上・下・上・上・下 ②あるさからう ③4-1-0-パッチン3 ④羽鐶箸 香合降して釜の蓋 鐶掛けて釜敷 ⑤茶巾帛紗で今一種 ⑥ふくみ帛紗の手が入るお点前は? ⑦柄杓の置き/切りが交互に替わるお点前は? ⑧盆点の茶入は唐物ですが、台天目の茶入は? ⑨盆点(風炉)で拝見時に、茶入を行で清めた後、四方盆を清めるに、為帛紗を「行」に捌く位置はどこ? ⑩ココア |
●答え:解説をつけてます
①行之行台子:竹台子前、膝行後の最初に道具を配膳する時の「手の動き」を指したもの 「上:天板の八掛盆を天板手前に移動→下:火箸2本を杓立てから台子左外へ移動→上:八掛盆上の茶入を水指正面に移動→上:天板上の天目台を火窓前に移動→下:建水を両手で取り、片手で下座に移動し、蓋置を建水跡手前に置く。 ②茶通箱:「在る左空右」茶通箱に茶器が入っている時は左手より触れ、無い時は右手から。 ③大円之草:茶杓を清める回数:4(清拭き:草3+草1)→1(唐物茶入:草1)→0(和物茶入、茶碗左内側で打つだけ)→パッチン3(終い時:ちり打ちパッチンの後、草3茶碗に預け) ④初炭手前:棚無しの初炭手前の手順:裏千家HP「お家元と 一問一答」に何故初炭・後炭は「手前」と書き「点前」では無いのかへの回答が出ていましたので転載します「本来は「手前」と書く言葉の方が古いようです。この「手前」という言葉はどこから出てきたかというと「建前(たてまえ)」から出てきたとの説があります。建築物の「建」、前で何かを建てる、作り上げる、そういう意味で「建前」から始まって、自分の目の前で手で成すというところから「手前」となりました。しかし、寺の作法の中には、中国に絡んだお茶を点ずる「点茶」という言葉があります。ここからお茶を点てる時に「点前」という言葉が使われるようになりました。」 ⑤茶通箱:一服目の詰めの飲み切で、亭主は客付から正面に戻り、茶巾を絞り、たたみ換えて、茶巾を釜蓋に載せます。水は注さずに、帛紗を腰に。正客から「今一種のお茶を」と所望されます。二服目点てる前の一連の流れを指したフレーズです。 ⑥真之行台子:天目台を清める時の帛紗さばき。「茶筅皿の下の帛紗を取り、真の捌きからふくみ帛紗を作り、天目台を持ち、ほおずきを前後に、羽根を前後にはさんで、清めます。帛紗を草にさばいて、戻し置きます。 ⑦行之行台子と大円之草:柄杓の扱いは「置き」から始まりますが、行之行台子は7度目の「置き」が最後、大円之草では、2服点てますのでなんと11度目の「置き」が最後となります。 ⑧和物です。唐物扱いの天目茶碗と天目台を習得する為か、茶入はなぜか和物なのですね。 ⑨正面/居前です。拝見時、茶入を行捌きで清めた後、捌いた帛紗を握ったまま、正面/居前に戻りそこで帛紗を行に捌き直してから、盆を持ち、客付きに回り、客付きで川の字に盆を清めます。 ⑩茶通箱:「ココア/濃茶濃茶は後に小すすぎ」、茶通箱では、先に茶碗に湯を注ぎ建水に流した後、小すすぎをしますが、台天目・天目茶碗を使う点前では、小すすぎを先にします。大円之草でも濃茶2服点てますが、小すすぎは先にします。台天目や他の奥伝3種も小すすぎが先です。 |
奥伝はいろんな所作が多く、それぞれ独特のルールの元に進められるので、覚えておくと便利なフレーズが多く考えられてきていて、役に立ちます。まだ奥伝お稽古していない方には、将来お役に立てばと思います。奥伝まで進めてきて、始めて茶道お稽古の楽しさや奥深さが分かってくるようです。